目次
はじめに
前回は、RAID0 と RAID1 について紹介させていただきました。
今回は前回に続き、RAID5 と RAID010 について紹介させていただきます。
RAID5
まずは、RAID5です。
RAID5は複数のHDDにデータを分割保存する方法です。
これだけだとRAID0と同じに見えますがRAID5は、分割保存すると同時にHDDの故障に備える機能を持っているためデータのバックアップが作られておりRAID1と同じく信頼性が高くなります。
RAID5は、最低3台のHDDから構成されるRAIDでデータを分割保存する際に「パリティ」と呼ばれるバックアップデータが作られます。
これによってHDDが1台故障しても稼働し続けることができるというものです。
この「パリティ」が具体的にどのような動作をしているのかは知りませんが、個人的には「排他的論理和」のような仕組みなのかな?と思っています。
排他的論理和は、データ1とデータ2が同じ場合はfalse
データ1とデータ2が異なる場合はtrueとするという考え方です。
これであれば、データ2が見えなくなっても(HDDが故障しても)データ1と結果からデータ2を出すことができるので、個人的にこんなイメージでパリティが計算されているのだろうと考えています。
※私はこのようにイメージしています
RAID5のメリットとしては、
RAID1よりもバックアップに必要な容量が少なく済みます。
RAID5を「HDD3台で構成」しようが「HDD4台で構成」しようがパリティに使うHDDは1台なので、RAID5を構成するHDDの容量を「n – 1」使うことができます。
例)
100MBの3台構成なら、 「3 – 1」台分の容量である200MBを使うことができ
100MBの4台構成なら、 「4 – 1」台分の容量である300MBを使うことができます。
デメリットとしては、
構成するためには「最低3台」のHDDが必要だということでしょうか。
RAID0やRAID1は、HDDが2台構成から使えましたがRAID5は3台必要で、3台でRAID5を組むと三分の一の容量使えなくなるため、「なんだか損している気がする」という気になります。
あとは、RAID0やRAID1よりもIOの速度が遅いです。
(分散処理をしているのでHDD1台で普通に使っているよりは早いはずです)
RAID10
次はRAID10です。
今までRAIDを組むと言えば大体RAID5でした。
しかし、少し前からRAID10というものが注目されています。
このRAID10とは全く新しいRAIDではなく、RAID0とRAID1の合わせ技です。
RAID0は、分散処理を行いデータの読み書きを行うので、IOPSは高くなりますがHDDが1台故障すると使えなくなるので故障率も高くなりました。
そこでRAID1と組み合わせることで、IOPSを高めつつ信頼性も高めるという手法が作られました。
メリットとしては、RAID0の処理速度でなおかつバックアップが作られるという点です。
最大で2台までならHDDが壊れても大丈夫という状態です。
(ファイル1、2のHDDとファイル3、4のHDDが1台ずつ壊れても大丈夫ですが、ファイル1、2のHDDが2台壊れるとアウトです)
デメリットとしては、最低4台のHDDが必要です。
そして、RAID10を構成しているHDDの全体容量の半分しか使えないのでコストが高いです。
最後に
私が社会人になったころはまだRAID10なんてなかったのですが、IT業界は日進月歩で技術が進化していきますね。
HDD1台で何とかなるなど、そもそもRAIDを組まなくてもいい方法が出てきてくれるとうれしいなと思う今日この頃。