(第1回)CADの基礎知識

(第1回)CADの基礎知識

目次

はじめに
CADの基礎知識
CADの特徴
次回予告

はじめに

CADと一言で言っても、その範囲は多岐にわたります。この連載では、CADを初めて触る方に向けた基礎知識のご紹介から、ライセンスについての解説、環境構築手順までご紹介したいと思います。今回は、第一回として基礎知識の部分を記載します。

CADの基礎知識

「CAD」とは、「Computer Aided Design」の略で、「キャド」と読み、意味としては、自動車や住宅、建築などの設計や製図を支援するソフトを指します。「コンピュータ支援設計」となり、まさに設計や技術ドキュメントの作図を支援するツールという意味合いになります。

ビルや自動車、家電など数多くの製品は、図面を基に作られており、CADはその図面の設計、作図をするのに欠かせないツールです。以下が公開されているサンプルです。

建築用や設備用など、特定の分野に特化したものを「専用CAD」、分野を問わず幅広く活用できるような機能を備えているものを「汎用CAD」と呼んでいます。
汎用CADソフトで有名なのが「AutoCAD(オートキャド)」です。2Dから3Dまで対応可能で、幅広く使われています。
他にも、電気用、土木用など、利用する分野ごとに種類があり、専門的な機能が備わったものもあります。「AutoCAD」はAutoDesk社から期限付きの無償利用版も提供されていますので、手軽に試すことも可能です。簡単にインストール手順をご紹介します。

AUTODESK社の無償体験版インストール

以下のリンクから、無償体験版がダウンロード可能です。


続いて、インストールするソフトの種類を選択します。「AutoCAD」に加えて、建築設計製図に使用する「AutoCAD Architecture」や電気制御システムの設計に使用する「AutoCAD Electrical」などもここで選択可能です。今回は、汎用的な用途に使用する為、「AutoCAD」を選択します。

ローカルにダウンロードされたexeをクリックすると、インストールが開始されますが、以下の画像のように完了までかなり時間がかかるので、注意が必要です。

インストール完了後、再起動して完了です。

CADの特徴

・手書きよりも簡単
  CADが使用されるまでは、製図はドラフターに紙をセットし手書きで行われていました。
  CADが登場し、製品の形状や、寸法、仕様等必要な情報を描き込む作業が、コンピュータで実現出来るようになり、
  作業の時間が短縮されました。
  線の太さや、点線など、CADであれば設定して作図するため、誰でも簡単に線を引くことが可能です。

・データ修正が容易
  紙に手書きで作図していた時は、修正の度に他の箇所を消さない様に注意しなければならないのと、
  作図や修正時に紙が破れてしまうなんて事もあります。
  CADの場合は、コンピュータ上で修正したい箇所のみを削除・修正できます。
  特定の線を消したり、新しく追加する時でも、修正箇所以外に影響することなく、正確に作図修正を行うことが出来ます。

・データ共有が可能
  紙に描いた図面を保管する際にも手間が掛かってしまい、他の方へ渡す際は郵送する事になり、数日掛かってしまいます。
  CADで作図した図面データは、コンピュータ上やクラウドなどサーバー上に保存出来るため、他の方への共有が簡単です。
  また、CADであれば、一つの図面を複数人で共同作図が可能です。
  後に過去データの参照の為に、修正変更前のデータを保存しておくことも可能です。

次回予告

次回から、詳しい部分の説明を始めていきます。CADには「2DCAD」と「3DCAD」とがあります。
次回は2DCAD、3DCADの違いと使い分け等を記載させて頂きます。