【検証】対話AI×システム開発

【検証】対話AI×システム開発

「プログラミングの知識がない状態で、対話AI任せで1からシステムを作れるのか?」
そんな疑問を検証してみました。
テーマは「有給管理システムの開発」。
業務で使っているスプレッドシート管理を置き換える形で作れたら面白いかも?と考えました。
今回はその体験談を共有いたします。

※2025年6月時点の検証記事です。

きっかけとゴール

毎回の有給管理をスプレッドシートで行うのは手間がかかるため、
「これ、ちょっとしたシステム化で楽にならないかな?」という素朴な思いが出発点です。
また、時間制限を設け、1人日(8時間)までとしています。
下記機能の搭載を目指しました。

  • 申請:社員が有給申請できる画面
  • 承認:管理者が承認・却下できる機能
  • ログイン:アカウント管理、セキュアなログイン
  • 履歴と残日数:個人の有給残数と履歴を一目で確認

使用ツールと技術

今回は、Claude Sonnet4というAIを使いました。
基本スタイルは「AIに質問→返ってきた指示をそのまま作業」。
ソースコードの内容は確認せず、「AIに言われるまま手を動かす」方式です。
構成やライブラリもAIに提案してもらいました。

  • バックエンド:ASP.NET Core Web API/Entity Framework Core/PostgreSQL
  • フロントエンド:Vue 3(+ Vue Router)/Pinia/Quasar/axios
  • 作業時間:バックエンド約5時間、フロントエンド約3時間
  • 開発環境:Visual Studio 2022、VS Code

できたこと・つまずいたこと

できたこと

  • ユーザー登録とログイン機能を実装。トークン認証も設定できた。
  • Quasarを使って、シンプルながらそれらしい画面を作成。
  • APIとフロントがつながるところまで確認できた。

つまずいたこと

  • AIとの対話でスレッド上限に達し、前提知識から再度共有のし直しでの時間ロス
  • ログイン後のユーザーデータ取得でエラー発生。
  • 修正しても別エラーが出て、戻る…のループ状態。

AIの提案でCORS設定やJWT認証をいじってみましたが、最後は解決に至らず。
知識があれば、「認証ヘッダーが抜けてる」「エンドポイントの認可属性がおかしい」といった見当がつけられますが、完全にAI任せだと手が出せません。
開発はここで一旦終了しましたが、この段階で得られた気づきも多かったです。

やってみて感じたこと

  • 環境とツール選びの大切さ:
    Copilotを利用する、設計を工夫するなど、AIと相性の良い環境を整えられたならもっと進められたかも。
  • 知識ゼロでは限界がある:
    トラブルシュートには最低限の理解が必要。「ここが怪しい」と質問できるだけでAIの精度も変わる。
  • AIの底力はすごい:
    ゼロから作成した場合数か月かかるものが、8時間でここまで形になる!

まとめ

「完全にAIに任せでシステム作れるかな?」と検証してみた結果、
最終的には完成できませんでしたが、ユーザー登録やログイン機能までは形になりました。
ゼロから一人で作っていたら、8時間では到底たどり着けなかったと思います。

実際に感じたのは、「AIは万能ではないけど、頼れるパートナーになりうる」ということ。
知識ゼロだと手詰まりする可能性を秘めていますが、知識や工夫があればAIは一気に力を発揮します。
作業効率が3倍、5倍も夢になる可能性を秘めていると感じました。
AIの進化は早く、日々アップデートされ、新ツールもどんどん出ている現状で、キャッチアップを怠らず、検証を重ねることでどんどん業務を効率化していきたいと思います!