
はじめに:アイデアを”言葉”でアプリにする時代が来た
「この面倒な作業、自動化できたらいいのに…」「こんなことを手伝ってくれる、ちょっとしたツールがあったら便利なのに…」仕事や趣味の中で、そう感じた経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
今回ご紹介するGoogleの最新ツール「Opal」。
Opalを使えば、プログラミングのコードを一行も書くことなく、まるでチャットで話しかけるように“言葉”で指示するだけで、あなた専用のAIミニアプリを瞬時に開発できます。
この記事では、そんな魔法のようなツール「Opal」の魅力と、その驚くほど簡単な使い方を解説します。この記事を読み終える頃には、あなたも自分だけのAIアプリを作る第一歩を踏み出せるかもしれません。
Google Opalとは?3つの大きな特徴
Google Opalは、Googleの先進的な取り組みを試せる「Google Labs」から登場した、実験的なノーコードAIアプリ開発ツールです。その心臓部には、対話型AI「Gemini」をはじめとするGoogleの最新AI技術が組み込まれています。
特徴1:ノーコードで誰でも簡単
Opalに専門知識は一切必要ありません。必要なのは「何がしたいか」というアイデアだけです。「ブログ記事のアイデアを考えてほしい」「この文章を要約してほしい」といった日常的な言葉でお願いするだけで、Opalがその処理を行うためのロジックを自動で組み立ててくれます。
特徴2:視覚的で直感的なワークフロー編集
AIが自動で組み立てたアプリの処理の流れ(ワークフロー)は、「入力」「AI処理」「出力」といった役割を持つカードが線でつながった形で表示されます。
この設計図では、もし「処理の順番を変えたい」「新しい機能を追加したい」と思ったら、カードをドラッグ&ドロップするだけで直感的にカスタマイズが可能です。AIの働きが目に見えるので、安心して調整を加えることができます。
特徴3:ワンクリックで瞬時に共有
完成したミニアプリは、複雑なサーバー設定など一切不要で、ボタン一つで公開用のURLが発行されます。そのURLを送るだけで、あなたは自分の作ったツールを同僚や友人と簡単に共有できます。チームの業務効率を上げるためのツールを作って、すぐにみんなで使う、といったことがいとも簡単に実現します。
Opalでブログ記事の構成案作成アプリを作ってみる
Opalでアプリ作成の前に以下注意事項があります。
◆記事公開時点(2025年10月)では「実験的なツール」であること
> 機能の変更や停止: ある日突然、機能が大きく変わったり、サービスが提供されなくなったりする可能性もゼロではありません。
> 動作の不安定さ: 時々、予期せぬエラーが発生したり、うまく動作しなかったりすることがあります。
◆生成AIならではの「嘘(ハルシネーション)」に注意してください
>重要な情報やデータについては、Opalの回答を鵜呑みにせず、必ずファクトチェック(事実確認)をする習慣をつけましょう。
・機密情報や個人情報の入力は慎重になってください
>全てのオンラインAIサービスに言えることですが、機密性の高い情報や個人情報の入力は避けるべきです。
・会社の内部情報や顧客データ
・氏名、住所、電話番号などの個人情報
ではこれらに注意したうえでアプリの作成を見ていきましょう。
ステップ1:Opalにアクセスして作りたいアプリを伝える
- Opal公式サイトにアクセス
https://opal.withgoogle.com/ にアクセスし、お持ちのGoogleアカウントでログインします。 - 作りたいアプリを自然言語で入力
画面中央の入力ボックスに、以下のようにお願いしてみましょう。
「入力されたブログテーマに基づいて、読者の興味を引くキャッチーなタイトルと、
そのタイトルに沿った構成案を3パターン提案してくれるアプリ」 - Enterキーを押してAIに生成させる
入力後、Enterキーを押すと、AIが指示を解釈してワークフローの自動生成を開始します。
数秒待つと、編集画面が表示されます。

ステップ2:自動生成されたワークフローを確認・編集する
- ワークフローの全体像を理解する
画面に「Input
(入力・黄色ヘッダー)」「Generate
(AI処理・青色ヘッダー)」「Output
(出力・緑色ヘッダー)」といった役割を持つカード(ノード)が線で繋がった状態で表示されます。これがアプリの設計図です。

Generate
ノードの中身(プロンプト)を調整する
中央のAI Modelノードをクリックします。
AIへの指示(プロンプト)が既にアプリ作成段階で自動で入力されています。
Generate Blog Title
You are a creative content generator specializing in crafting compelling blog post titles. Your task is to generate a list of catchy and engaging blog post titles relevant to the provided blog theme.
#Step by Step instructions
1.Read the provided Blog Theme.
2.Generate a single catchy and engaging blog post title that is relevant to the Blog Theme.
3.After generating a title, check if enough titles have been generated. If not, go back to step 2 and generate another title, ensuring variety and appeal.
4.If enough titles have been generated, present the complete list of titles.
Generate Blog Outline
You are an expert blog content strategist, skilled at developing comprehensive and engaging content plans. Your task is to generate three distinct and detailed blog post outline proposals, each aligning with the central blog theme: {blog_theme}. Each outline should include a clear structure with main points and sub-points.
#Step by Step instructions
1.Read the provided Blog Theme.
2.Generate one distinct and detailed blog post outline proposal, ensuring it aligns with the central Blog Theme and includes a clear structure with main points and sub-points.
3.Review the generated outline. Have three distinct outlines been created? If not, go back to step 2 and create another distinct outline.
より良い結果を求める場合は、プロンプトの調整・修正が必要ですが今回はこのまま進めます。
ステップ3:アプリをテスト実行(プレビュー)する
- プレビュー画面に切り替え
画面上部のタブで「Editor
」から「App
」に切り替えます。 - テーマを入力して実行
プレビュー画面に表示された入力欄に、テスト用のテーマ(例:「テレワークの生産性を上げるコツ」)を入力します。
「Start
」ボタンをクリックして、アプリを実行します。 - 結果を確認する
処理が終わると、AIが生成した複数パターンのタイトルと構成案が出力されます。期待通りの結果になっているか確認しましょう。
もし結果がイマイチな場合は、ステップ2に戻ってAIへの指示(プロンプト)をさらに工夫してみましょう。


アウトラインも細部まで作成されていました。
※スクリーンショットはすべて入りきらなかったため、全体の一部のみ
よく見るとShareボタンとDownloadFile機能も実装してくれていますね。
ステップ4:作成したアプリを公開・共有する
- 共有設定を開く
編集画面(Editor)の右上にある「Share app
」ボタンをクリックします。 - 公開設定をオンにする
表示された画面で、「Publish your Opal
」のスイッチをオンにします。 - URLをコピーして共有
自動で生成された公開用URLが表示されます。
このURLをコピーすれば、誰でもあなたが作成したAIミニアプリを利用できます。

まとめ:Opalが拓く「AI活用」
このように開発の知識、ソースコードが一切不要でアプリの作成ができてしまいました。
もちろん、Opalはまだ始まったばかりの実験的なプロジェクトですので今後活用シーンがどんどん広がっていく可能性があります。
この記事を読んで、少しでも興味を持てれたのなら、ぜひ一度Opalに触れてみてください。あなたのアイデアが、世界を少しだけ便利にするかもしれません。