第1回 Networkの構築~オンプレ環境をOracle Cloudへ移行する~

第1回 Networkの構築~オンプレ環境をOracle Cloudへ移行する~

目次

今回の目標
Networkingの構築
VPCと関連するものを自動作成
次回予告

今回の目標

前回の連載では、Autonomous Database Warehouseの立ち上げから、データのロードまで行いました。AutonomousはDBをSaaSのように使用する形なので、他のOCIの部分には全くと言っていいほど触れる機会がありませんでした。
ということで、新シリーズでは改めてOCIを触っていきますが、ただ触るだけではなく、後発組のOCIがAWSに比べてどのように異なるのか、先発組が見つけた問題などはどのように解決しているのか、といった点など見つけれたらと思っています。また、今までにOCIのハンズオンなど受けたけれども、ずっと自分の中でふわふわしている部分を整理する為のものとしたいので、説明を細かく記載していこうと思います。しつこいかもしれませんがご了承ください。今回も長期間連載を予定しています。

Networkingの構築

まずネットワークの設定を行っていきます。自宅を引っ越しした際に、まずは回線を引くようなイメージでしょうか。早速コンソール画面から「NETWORKING」をクリックし、VCN(Virtual Cloud Network)の作成を行います。AWSでいうところのVPC(Virtual Private Cloud)です。

クリックすると設定画面がポップアップで表示されます。

赤枠で囲った部分のラジオボタンで画面が大きく変わります。「Create Virtual Cloud Network Only」は、VPCのみ作成する。
「Create Virtual Cloud Network Plus Related Resources」は、VCNだけでなく、他の関連するものも作成してくれるものです。

VCNと関連するものを自動作成

一旦、「Create Virtual Cloud Network Plus Related Resources」 を選択して「Create Virtual Cloud Network」を押下します。

関連するものを全て自動で作成しつつ、VCNが完成しました。関連するものとは、「Internet Gateway」,「Default Route Table」,「Subnet」です。一つ一つ見ていきたいと思います。まずは今の状態を図にしてみました。

まず大枠から見ていくと、リージョンがあります。リージョンは地理的なエリアを指しています。使用するリージョンが近い方がレイテンシーが低い為、将来は東京リージョンを使用することになりそうです。リージョンは複数のAD(アベイラビリティードメイン)から構成されています。各ADはさらにFD(フォルトドメイン)から構成されています。FDはハードとインフラのグループであるとドキュメントでは記載されています。ハンズオンでは講師の方はFDをデータセンターを表現していたので、FD=データセンターと考えてよいかと思います。

今回自動で作成された「Internet Gateway」は図のようにVCNがインターネットに接続する際の口になっています。さらに併せて自動作成された「defoult route table」を見てみると以下のようになっています。

「Target Type」にインターネットゲートウェイが指定されています。VCNとインターネットゲートウエイの間を有効にするために使用できます。

また各AD(AD1~AD3)にそれぞれサブネットが作成されています。各ADにそれぞれサブネットが作成されていますが、サブネットはADをまたぐことも可能です。(※過去には不可能だったようです)。

このような形も可能

次回予告

サブネットは次回、コンピュートのインスタンスを作成する部分で詳しく触れたいと思います。マシンを配置した後のほうがイメージしやすいかと思いますので、同じくセキュリティリストについてもコンピュートのところで検証を行います。具体的には、コンピュートのインスタンスを作成し、ネットワーク部分と合わせて検証をしていきます。