(第1回)Raspberry Piで自作IoT

(第1回)Raspberry Piで自作IoT

目次

はじめに
マイコンボードとは
ワンボードマイコンとは
シングルボードマイコンとは
準備するもの
制作物について(フローチャート)
次回予告

はじめに

最近では世の中のIoT化が進んできています。それに伴いオープンソースで簡単で安価にIoTデバイスを開発できるマイコンボードが注目を集めています。
また、最近では小学校の授業でプログラミングがあったりと、学習の場でもプログラミングが浸透しているため、夏休みの自由研究などでも利用されるようになってきました。
本連載では、そのようなマイコンボードを使用して、身の回りの作業の自動化や仕事での効率化を図るツール等を作成していきます。

マイコンボードとは

マイコンボードは、マイコン(マイクロコンピュータ)を含む最低限のハードウェアが実装された基板で、開発環境とマイコンボードさえあれば開発ができます。
※マイコンボードは大きく分けて「シングルボードマイコン」と「ワンボードマイコン」の二種類があります。
それぞれの特徴を下記で説明していきます。

ワンボードマイコンとは

ワンボードマイコンは評価用や組込みシステム組み込み開発用として使われることが多いです。
よく耳にするのが「Arduino」だと思います。 ワンボードマイコンには下記のような特徴があります。

Arduinoの特徴

  • OSはインストールできません。
  • ArduinoIDE という 開発環境をインストールするだけでプログラムを書くことができます。(ただし別PCが必要)
  • WiFiもモジュールを購入し実装することで使用できます。

シングルボードマイコンとは

シングルボードマイコンの用途としては組み込みWebサーバを始め、高精細画像処理や産業用制御システムなど、AIやIoTにも使用されているようです。
最も有名なものは「Raspberry Pi」です。下記のような特徴があります。


Raspberry Pi の特徴

  • OSをmicro-SDにインストールし、使用できます。
  • HDMI出力、USBポート、LANポートが実装されている為、USBケーブル、マウス、HDMIケーブルがあれば性能の低いPCとしても使用でき、他にPCを用意しなくても開発が行えます。
  • モバイル向けのVideoCore IVというGPUが搭載されているため、カメラを付けることで画像認識等を行えます。
  • 最新のものですと、WiFiやBluetoothも実装されています。

最初はセンサーなどを実装した簡単なものから作成しますが、最終的には画像認識や音声認識なども踏まえたものも作成できればと思っています。そうした理由から上記の特徴を持った「Raspberry Pi 3 Model B+」を用いて開発を行っていきます。何が作れるのかなどRaspberry Pi のホームページで、一部紹介されているので、こちらも参考にしてください(英語のページになります)。

Raspberry Pi

準備するもの

  • Raspberry Pi 3 Model B+
  • ACアダプター ※
  • USBキーボード
  • USBマウス
  • micro SDカード

※ (MicroUSBで電源供給し、推奨の電流が2.5A以上になります。一般的なスマホの電流は1~2Aなので、スマホの充電器ではなく、規格にあったものを用意してください。)

制作物について(フローチャート)

【目標完成物】
リモートでエアコンを操作できるシステム

【 OSのインストール 】
RaspbianというDebian(Linuxの種類の1つ)をインストールします。Debianの紹介が下記サイトに載っていたので、参考にしてください。
Debianとは

※RaspbianはPythonやJava、Scrachにも標準で対応しています。一般的に Pythonが使用されることが多いようですので私もPythonを使用して開発を行っていきます。 Scrach を使用できるということで子供にも扱いやすいものになっていると思います。

【 初期設定 】
ホスト名や時刻、WiFi、SSHなどの設定を行います。

【開発】
プログラム作成

【制作理由】
これから、暑い夏が待っています。
夏は帰宅しても家に入るのが嫌になるくらい部屋の中が暑いですよね。かといって、エアコンのリモコンタイマーをONに設定しようと思っても設定した時間に帰宅できるとも限りません。そんなとき家につく15分くらい前にスマートフォンから、エアコンを操作できるようにすればいいのではないかと思い、今回の開発を思いつきました。
うまくいけば他にも赤外線で動くものを操作できるようにしようと思っています。

次回予告

ラズベリーパイについて調べていると、通話機能を追加して携帯電話を作成したり、植物の水やりをリモートで行ったり、格安SIMを組み合わせてモバイルルータを作成している方もいました。
自分のアイデア次第でラズベリーパイを様々な用途で活用でき、安価にいろんなシステムを作成できる
この記事で私もいろんなアイデアを形にし、皆さんにお伝えできればと思っています。
今回はここまでとします。次回はインストールについて紹介します。