(第1回)Automatorを使った単純作業の効率化

(第1回)Automatorを使った単純作業の効率化

目次

はじめに

今回はMacに標準で搭載されている「Automator」を使用して、テキストのコピー&ペーストや、決まった形式でのファイル名の変更等の単純な作業を自動化していきたいと思います。

Automatorとは

Automatorは、Macの標準アプリケーションで、様々なワークフローを自動化して簡単に作業を効率化できるものです。単純なドラッグ&ドロップ操作で自動化レシピを作成し、任意のショートカットキーで実行することができます。
Automatorを使用すれば、Finderで特定のフォルダの中にある大量のファイルの名前を一括で変更したり、Word、Excelファイルを瞬時にPDFファイルに変更することが可能です。
ものによっては手作業で数時間かかっていた作業をレシピ次第では数分、数秒でできてしまうようなこともあります。

Automatorを起動する

それではAutomatorを起動してみます。
Control+スペースボタンを押すと、検索画面が出てくるのでここに「Automator」と入力します。すると、Automatorが出てきますので、そのままEnterをおすとアプリケーションが起動します。(LaunchpadからAutomatorを探して起動しても大丈夫です。)

起動すると、下記画面が出てくるので、「新規書類」をクリックします。

「新規書類」クリック後、書類の種類の選択画面が出てきます。
ここで、「これからどの作業をどの種類の書類で実行するか」を選択します。
ここでは使用したい書類の種類を選択し、ドラッグ&ドロップをしてどの形式のデータでどのような作業を行いたいかを決定することができます。

選択できる8種類の書類の説明は下記に簡単にまとめておきます。

ワークフロー

ワークフローは、Automatorを立ち上げ、Automatorのアプリ内で実行できる自動化レシピです。マウスの動きを記憶し特定の動作を行ったり、テキストから特定の情報を抜き出したりなど入力作業の補助として利用する際に適しています。

アプリケーション

アプリケーションは、Automatorを立ち上げることなく実行することができるものになっています。
レシピをアプリケーションとして作成しておけば、アイコンにドラッグ&ドロップされたファイルやフォルダに何らかの処理を加えることも可能です。

クイックアクション

クイックアクションはFinderの「ウインドウ」、「サービス」メニュー、Touch Barから実行できるワークフローを指します。
作業をする際に編集ソフト等を開かなければならなかった作業を開かずに作業ができるようになります。

プリントプラグイン

プリントプラグインは、プリントする際に実行されるレシピです。PDFファイルを出力するという使い方ができます。
Excelファイル等を瞬時にPDF変換する際に適しています。

フォルダアクション

フォルダアクションは、特定のフォルダに入っているファイルに関して何らかのアクションを行うレシピです。
Chrome等からダウンロードしたファイルを、拡張子ごとにフォルダ分けする際便利です。

カレンダーアラーム

カレンダーアラームは、特定の時刻になったら何らかのアクションを実行することができるレシピです。
作成したレシピはカレンダーイベントとしてカレンダーアプリに反映されるので、通常のカレンダーイベントと同様に繰り返しや通知の設定なども行うことが可能です。

イメージキャプチャ・プラグイン

イメージキャプチャ・プラグインは、画像処理を自動化する際に使います。
複数の画像を一枚に加工したりする際に利用できます。

音声入力コマンド

音声入力コマンドでは、音声入力を起動した際に特定のキーワードをトリガーにして自動化することでできるようになります。
例えば「Macをスリープモードに」という音声入力コマンドを設定しておけば、この音声を発した際にトリガーとなりMacをスリープモードにすることが可能です。

実際に作業を自動化する

今回は、画像形式の自動化を「アプリケーション」で行ってみます。
ここではPNGファイルをJPEGに変更するアプリを作成してみます。
Automator起動後、新規作成をクリックし、アプリケーションを選択した状態で「選択」をクリックします。

下記画面で「Finder項目をコピー」を画面右側にドラッグ&ドロップします。
保存先をデスクトップに「テスト結果」フォルダを作成したので、「テスト結果」に設定します。

同画面で「イメージのタイプを変更」を右側にドラッグ&ドロップします。
変更後のファイルタイプをJPEGに変更します。

画面左上の「ファイル」→「保存」を選択します。
今回は「画像形式変更」というアプリ名で保存し、保存先を「デスクトップ」に設定しました。

以上で画像ファイルの形式変更を行うアプリができました。
実際に画像ファイルを変換させてみます。
今回はこちらのPNG形式の画像を用意してみました。

こちらの画像をすべて選択し、作成した「画像形式変更」アプリへドラッグ&ドロップします。

ドラッグ&ドロップすると数秒で処理が完了し、テスト結果フォルダを確認してみるとすべてJPEG形式に変換されていました。

次回予告

次回はマウス操作の自動化や、Excel、Word、PowerPointなどのPDF変換を行っていきたいと思います。