
目次
はじめに
2つのツール、目的がそもそも違う
Google Driveだと何が困るのか
Gitはどう解決するか
まとめ
はじめに
「ソースコードの管理もGoogle Driveでよくない?」という疑問は、開発に馴染みのない方からときどき出てきます。ファイルを保存して共有するだけなら、確かに同じように見えます。
この記事では、Google DriveとGitが何を目的に作られたツールなのかを整理し、なぜ開発現場でGitが使われるのかを説明します。
2つのツール、目的がそもそも違う
一言で言うと、Google Driveは「棚」、Gitは「開発日誌」です。 
ソースコードは毎日何度も修正され、複数人が同時に触るものです。「保存して共有するだけ」では足りない理由が、ここから出てきます。
Google Driveだと何が困るのか
① バージョン履歴だけでは「どこに戻るか」が分からない
Google DriveにもDropboxにも履歴機能はあります。ただし、残るのは「10:00に保存」「10:30に保存」という時刻だけです。不具合が起きて前の状態に戻したいとき、どの時点が正しいのか判断できません。

さらに数個前に戻すと、その間の変更がすべて消えてしまいます。「2回目に戻りたいけど3,4回目の一部は残したい」という場合、どの行が変わったか自分の目で確認するしかありません。
② 複数人で同時に触ると上書きされる
AさんとBさんが同じファイルをほぼ同時に修正した場合、後から保存した方が前の変更を上書きしてしまいます。誰がどこを変えたのかも分かりにくく、古いバージョンを誤って使うリスクもあります。
Gitはどう解決するか
Gitでは「コミット」という単位で変更を記録します。1回のコミットには、いつ・誰が・何を・なぜ変えたかがセットで残ります。

Google Driveの「何時何分に保存」という情報とは違い、「Aさんがログイン機能追加」のように変更の意図まで残ります。これにより、戻すべき地点がすぐに分かります。
また、Gitには次のような仕組みも備わっています。
- 特定のコミットだけを取り消せる 間の変更を消さずに、狙った変更だけを元に戻せます
- 差分(diff)が自動表示される どの行が追加・削除されたか自動で確認できます
- 変更のぶつかり合いを検知してマージできる 複数人の変更を安全にまとめる仕組みがあります
まとめ
ここまで説明してきたように、Google DriveとGitはどちらも「ファイルを扱う」という点では似ていますが、そもそも目的が違うツールです。5つの観点で整理すると、それぞれの特徴の違いが見えてきます。

Google DriveやDropboxは、ExcelやWord、PDFといったあらゆる種類のファイルを、特別な学習コストなくすぐに共有できるのが強みです。ただし、ソースコードのように何度も細かく変更が発生するファイルの管理には向いていません。 一方でGitは、何度も修正が発生するソースコードを行単位で履歴を残しながら、複数人で安全に管理することに向いています。ただし、ExcelやWordのようなバイナリファイルは中身を読み取れないため苦手で、画像や動画の管理にも向いていません。 つまり、Google Driveは「どんなファイルも手軽に共有する場所」、Gitは「変化し続けるコードを安全に管理する場所」と言えます。どちらが優れているというわけではなく、用途に応じて使い分けるものです。 システム開発でGitが使われるのは、単にファイルを保存したいからではなく、変更を記録し、過去をたどり、複数人で安全に開発する必要があるからです。
