ベンチマークテストを試してみる

ベンチマークテストを試してみる

目次

はじめに
ベンチマークとは
「Cinebench(シネベンチ)」のダウンロード・起動
ベンチマークのスコア確認
おわりに

はじめに

 自分のPCが客観的にどれくらいの性能があるかを測る指標は色々ありますが、今回自分が使用しているCPUがどれくらいの性能なのかを測定してみたいと思い、ベンチマークソフトを導入して測定してみました。測定する環境によって計測結果などにバラつきがありますが、一つの指標としてはとても参考になるかと思います。今回の記事では、実際に計測してみた手順や結果などを掲載します。

ベンチマークとは

 測量の分野で使用されていた水準が、別の分野でも使われるようになった単語です。コンピュータ分野においては、主にハードウェアなどの性能を測定する際の指標のことを指しています。パソコンにおけるベンチマークを測る際は、パソコンに一定の負荷をかけることでその性能を測ります。自身の使用目的に合わせた種類の負荷をかけることで、その目的を達成するだけの性能があるか測ることがベンチマークテストの主目的になります。
 また、Intel,AMDなど製造元の異なるCPU,グラフィックボードなどの性能差が、スコアとして数値化することで客観的に分かりやすいなどのメリットもあります。それぞれのパーツについて、公式サイト等でスペック表が記載されていますが、より直観的な数値として理解しやすいのがベンチマークテストのメリットになるかと思います。
 今回はCinebench(シネベンチ)というMicrosoft公式が提供しているベンチマークソフトを使って、自分が今使っているCPUの性能を計測してみようと思います。

「Cinebench(シネベンチ)」のダウンロード・起動

 Microsoftの公式サイトから最新のシネベンチをダウンロードすることができます。
 画面右下の「入手」をクリックするとダウンロードが始まり、利用規約に同意することで使用が可能になります。

 起動すると以下の画像のような表示になります。画面左側の「Your System」の欄に現在使用しているPCのCPU名、コア数、OSの情報などが表示されています。計測を実施する際は、画面左上のCPU(Multi Core)かCPU(Single Core)のどちらかを選択することで計測が開始されます。

 シングルコアはシングルスレッドの性能(1コア当たりの性能)、マルチコアはマルチスレッド(全コア・全スレッドの性能)をそれぞれ表しています。シングルスレッドの性能が影響してくる例には、WEBサイトの閲覧、アプリケーションの起動(立ち上がりの速さ)、PCゲームの快適性などが挙げられます。また、マルチスレッドの性能が影響してくる例としては、動画のエンコード、3Dのレンダリングなどが挙げられます。
どちらの性能を重視するかは自身がそのパソコンをどの用途で使用しているかによって変わってくるため、自身の使用目的の中でシングルスレッド、マルチスレッドのどちらの性能が知りたいかで使い分ける形になるかと思います。また、各種サイトで表記されているスコアの内、特に記載のないものは基本的にマルチスレッドでのスコアが多いようです。
 今回は、試しにシングルスレッド、マルチスレッドの両方を計測してみようと思います。

ベンチマークのスコア確認

 画面左上のStartボタンをクリックすると計測が開始され、おおよそ10分ほどで計測が完了します。

 画面左下にランキング形式で計測結果が表示されています。オレンジ色になっている行が自分が使用しているCPUのスコアで、他のCPUと比較したときにどれくらいの性能を保持しているかが相対的に分かるようになっています。
 今回計測したCPUは「Intel Core i7-10700K」というCPUになりますが、二つのテストを比較することで、シングルスレッド、マルチスレッドでそれぞれ他のCPUと比較したときにどれくらいの性能を持っているかがおおまかに確認できました。計測した環境などにもよって数値が異なってくるため、絶対的な数値とは言えませんが、客観的にどれくらいの性能を持っているかを確認する用途で使用できるかと思います。

 また、シングルコアとマルチコアの2つのテストを実行することで、「MP Ratio」という値も表示されるようになりますが、これはマルチコア性能をシングルコア性能で割った値になっています。この数値が高ければ高いほど、コア1つの性能と比べて、複数コアを使った処理時の性能が高いことを表しています。
 今回の計測結果では、マルチコアの値が「10975」、シングルコアの値が「1208」だったため、「10975÷1208=9.08…」という計算結果がMP Ratioの値として表示されている形になります。
 こちらもシングルコア、マルチコアのテスト結果と同様、ランキング形式で他のCPUと比較が出来ます。シングルコアでの性能に対して、マルチコアで運用した場合はその何倍になるかを示している数値のため、マルチスレッドでの処理の場合、具体的にどれくらいの効果や恩恵を得られているかなどが確認できる一つの指標となるかと思います。 

おわりに

 今回、ベンチマークソフトを使って、実際に自分が使用しているCPUのスコアを計測してみましたが、他のCPUやグラフィックボードと比較して相対的な性能を把握したい場合、ベンチマークテストは一つの指標として有用だと思いました。PCを自作する際のパーツ選びや、各種PCゲームなどをプレイする際に自分の今使っているPCの性能が十分に足りているかを確認する場面で役立つかと思います。
 今回はCPUの性能を計測しましたが、他にもグラフィックボードの性能を測るベンチマークソフトなども存在するので、自分の目的にあったソフトを使用してみてはいかがでしょうか。