はじめに
ネットワークやシステムなど、何らかのIT分野に関わっている人なら必ず聞いたことのある「TCP/IP」。
今回は基礎学習も兼ねて、「TCP/IP」の基礎的な知識をまとめていこうと思います。
TCP/IPとは
別名、インターネット・プロトコル・スイートとも呼ばれるTCP/IPですが、検索してみると次のように説明されています。
インターネット・プロトコル・スイートは、インターネットを含む多くのコンピュータネットワークにおいて、標準的に利用されている通信プロトコルのセットである。TCP/IPプロトコルあるいは単にTCP/IP (Transmission Control Protocol / Internet Protocol) とも呼ばれる。従来のインターネットワーキングの手法は、このTCP/IPプロトコルに基づいている。元々は確固たる仕様や定義はなく、IPやTCPやUDPなどの仕様中に個々に、あるいは暗黙の前提として存在していたものだが、後から RFC 1122 で1つにまとめられた。これに対応する参照モデルはTCP/IPモデルと呼ばれる。
引用:ウィキペディア
つまり、様々な異なるハードウェアやOS間でもあたりまえのように通信できているのは、TCP/IPという統一されたプロトコルを使用しているおかげなんですね。すごい。
では、次にTCP/IPモデルを見ていきましょう。
TCP/IPモデル
7層に分かれているOSI参照モデルがあるのに対し、TCP/IPモデルは4層に分かれています。 それでは、4層それぞれの役割やプロトコルを見ていきましょう。
【4層:アプリケーション層】
利用者がコンピュータを使いインターネット上で通信を行うための入り口の役割となります。
利用者が使うアプリケーションが通信できるようにするためのプロトコルが定められています。
・主なプロトコル:HTTP、FTP、SMTPなど
【3層:トランスポート層】
TCP/IPの主役プロトコルである「TCP」が定義されています。
通信する際の信頼性を定める役割を持っています。
・主なプロトコル:TCP、UDPなど
TCP・・・通信の信頼性を重視。送信に失敗した場合やデータが欠落した場合でも再送してくれる。
UDP・・・高速性やリアルタイム性を重視。送信結果の確認は行わない。
【2層:ネットワーク層】
TCP/IPの主役プロトコルである「IP」が定義されています。
IPアドレス(インターネット上の住所)を使い、異なるネットワーク上の目的地までデータを届ける役割を持っています。
ルータ(異なるネットワーク間の中継器)と呼ばれるネットワーク機器を経由して外部へアクセスします。
・主なプロトコル:IPなど
IP・・・IPアドレスを利用して宛先までパケットを届けてくれる。
【1層:ネットワークインターフェース層】
同一ネットワーク内の通信を可能にする役割を持っています。
上位層から送られてきた「0」と「1」の2進数で表現されたビット列を電気信号や光信号、無線に変換し、LANケーブルや光ケーブル、無線などでデータを送ることができます。また、受信時は逆にビット列へ変換します。
・主なプロトコル:Ethernet(イーサネット)、無線LAN(Wi-Fi)、PPPなど
最後に
ここまで「TCP/IP」についての概要をまとめましたが、いかがだったでしょうか。
冒頭でも述べましたが、様々な異なるハードウェアやOS間でもあたりまえのように通信できるのは、TCP/IPという統一されたプロトコルがあるおかげです。
目まぐるしく技術が進化して上書きされていく世の中ですが、TCP/IPやHTTPなど、長く使い続けられている素晴らしい技術の上にITは成り立っています。
そういった基礎の部分も「あたりまえ」として通過するのではなく、かみ砕いて学習していきたいと改めて感じる機会となりました。