自作LANケーブルの作成

自作LANケーブルの作成

目次

概要

最近弊社に新オフィスができ、私はネットワークの構築に携わっていました。
その中で、LANケーブルを既存品購入ではなく、自作する機会があったので、
今回は自作LANケーブルの作成方法をご紹介したいと思います。

準備物

まず初めに必要な道具から確認していきます。
■必須の道具
・LANケーブル
・コネクタ
・コネクタをかしめるための専用工具

■あると便利な道具
ニッパーもしくは専用のはさみ

ケーブルの加工

では早速LANケーブルの作成に入りたいと思います。
まずは必要な長さにカットしたケーブルの外皮を切除します。

外皮の切除は、中のケーブルを傷つけずに外皮のみを切除しないといけないため、力加減が難しいです。
誤って中のケーブルを切断してしまった場合は一度全てカットし、再度外皮の切除からとなります。
力加減が難しく、よくケーブルまで切断してしまうので、完成後に想定した長さより短くなりがちなので、
ケーブルの長さを測る段階から少し長めに取っておくほうが、長さが足りない!!ということにならないので
少し余裕を持たせて取っておくとよいです。

先端から5㎝ほどの長さを取って切除します。

私はコネクタをかしめる工具についている刃を使用して切除しましたが、切除できればカッターでもハサミでも何でもよいです。

切断後はこのような状態になります。

芯線の調整

続いて外皮を切除し出てきた2ペア×4で出来ている芯線のよりを解して、8本のまっすぐな芯線になるようにしていきます。

芯線の中央に芯が入っている場合は不要なので根元まで切断します。

芯線のよりを解すとこのような状態になります。
このままだと下のガイド部品に入らないので、波打っている芯線1本1本をまっすぐになるように伸ばしていきます。
まっすぐにするコツは、山になっている部分を押し込んでまっすぐにするイメージで伸ばすと比較的まっすぐになりやすい気がします。
これはネットで見た情報ですが、上下左右に波打たせるように動かすとまっすぐになりやすいそうです。
(イメージはお札や紙を波打たせて数えやすくするアレです。)

コネクタに差し込み、かしめる

芯線がまっすぐに出来たら、ガイド部品に通してコネクタに差し込みます。

ガイドに差し込む際に順番に並べた芯線を斜めにカットしておくと長い方から順に差し込んでいけばいいので差し込みやすくなります。

ガイドに差し込めたら根元までガイドを押し込み、飛び出ている不要な部分をカットします。
カットできたら専用の工具を使用してかしめます。

かしめたら最後に芯線が順番に並んでいるか確認します。
順番に並んでいることが確認できたら、逆側も同様にかしめてケーブル作成は完了です。

接続テスト

LANケーブルの作成が完了したら実際に通信が出来るかテストします。
テストの方法は専用の疎通確認の道具を使用するか、ルーターやハブとPCを繋ぎ確認します。
今回は実際にPCをルーターと繋いで通信が出来るかテストしてみます。

今回私が作成したケーブルは右上のポート番号4に差したのですが…
何とか無事に通信は出来ました。(ポート上部左側に緑色のLEDが点灯すれば成功です。)
しかし、ポートの上部右側にオレンジ色のLEDが点灯しているのですが、こちらは通信スピードを表しています。
ポート番号2は緑色で3.4がオレンジ色になっていますが、緑色の方がスピードが出ています…
なので今回は作成には成功しましたが、通信スピードは遅い品質になってしまったということです。
別で作成したときは緑色が点灯したので、作成途中で芯線を傷つけってしまったり、何かしらの要因で品質を落としてしまっています。
コネクタ部分を切り落として再度作成してみようと思います。
皆さんも機会があれば是非作成してみて下さい。

豆知識

最後にテストをする際の注意点を、私が以前データセンターで働いていた経験からお伝えします。
今回テストしたときのように、ルーターと繋ぐ場合は既にいくつかケーブルが差さっていることがほとんどだと思います。
中にはサーバーと繋いでいるケーブルや、社内のネットワークに関わるケーブル等抜いてはいけない重要なケーブルが多くあります。
そういった大事なケーブルを抜いてしまうと、社内のネットワークが繋がらなくなり業務が滞ったり、編集していた大事なデータが飛んでしまったりと事故を起こしてしまう可能性があります。
事故を起こさないためにも、以下の2点を注意して抜くと確実に抜きたい線を抜くことが出来ます。
1.ケーブルを抜く際は、必ずルーター側ではなく対向側から抜く(今回の場合だとPCに繋いでいる側)
2.抜いた側からケーブルを辿ってルーター側に差している対向先を確認する。(この時に同時にLEDのステータスも確認するとより確実に抜けます。)